「教えてもらうだけじゃない」外国ルーツの学生と日本人学生が、互いに学び合う大学生活

外国にルーツを持つ学生2人と、一緒に学ぶ日本人学生、日本語教育を担当する西村由美先生による座談会の後編です。

前編では、大学選びのきっかけと、日本語の授業や先生のサポートについて聞きました。後編では、授業やサークルで学生同士がつくる交流の場と、日本人学生にとっての学びについて語ってもらいます。

座談会メンバー

ジーロ セイディさん|政治経済学科2年。トルコにルーツを持つ。経営に関心があり、授業「インターンシップPBL型」では女子バレーボールチームの集客企画に取り組んだ。日本語能力試験N1の合格を目指し、日本語の授業も受講している。
梅野 リアスミンさん|国際文化学科2年。フィリピンにルーツを持つ。オープンキャンパスで先生と話したことをきっかけに入学。学科の仲間と英語で交流するサークル「English Buddies」を立ち上げ、様々なイベントを企画している。日本語は友達と教え合いながら勉強中。
川村 天音さん|国際文化学科2年。英語の教員を目指し、留学を目標に英語を勉強中。リアスミンさんとは英語の授業で同じクラス。身近に英語で話せる友達がいることで、英語力の伸びを実感している。
西村 由美先生|日本語教育担当の教員。留学生や外国にルーツを持つ学生の日本語教育に携わり、一人ひとりのレベルや希望に合わせた学び方を学生と一緒に考えている。

「日本人だけだったら、なかった」──学生同士でつくる、支え合う場

――ジーロさんとリアスミンさんは、学科が違いますよね。どうやって知り合ったんですか?

ジーロ:1年生のとき、学食で友人と英語で話していた時に、いきなり英語で話しかけられたんです。びっくりしたけど、ノリで返したら、すごく仲良くなりました。

――普段は何語で話しているんですか?

リアスミン:英語が多いです。日本語も話します。

同じ国際文化学科の川村さんとリアスミンさんは、英語の授業も同じクラスです。

――英語のクラスで、印象に残っている出来事はありますか?

川村:クリスマスパーティーです。英語の授業で、先生が「クリスマスに何をする?」と聞いてくれたんです。

リアスミン:フィリピンでは、学校にクリスマスパーティーの日があります。その日は授業がなくて、グループでゲームをしたり、食べ物を持ってきたり、みんなでプレゼントを交換したり。だから「フィリピンみたいなクリスマスパーティーをしよう」と提案しました。

――その提案が、実際に形になったんですね。

川村:先生もクラスのみんなも「いいね」となって、授業の時間を使ってパーティーをしました。先生も企画をすごく手伝ってくれて、ゲームもあって、めちゃめちゃ楽しかったです。リアスミンさんの勢いに、クラスのみんなが引っ張られた感じで。たぶん日本人だけだったら、なかったと思います。

授業の外にも、学生同士がつながる場があります。リアスミンさんをはじめ、国際文化学科の有志の学生で立ち上げたのが、英語で交流するサークル「English Buddies」です。

――「English Buddies」はどんなサークルですか?

川村:英語を使って国際交流しよう、みんなで楽しく話そう、というのが目的です。

リアスミン:月に1回イベントをしています。最初はピクニック、夏休みにはバーベキューをしました。フィリピン料理のお弁当をつくって持っていったこともあります。ハロウィンパーティーもします。

――メンバーは何人くらいですか?

リアスミン:28人です。国際文化学科の学生が多いですが、ほかの学科の学生もいます。

――友達も増えるし、英語も磨けますね。ジーロさんも誘われているそうですね。

ジーロ:はい、今2人の話を聞いていて参加してみたくなりました。

こうした「学生同士で支え合おう」という動きは、国際文化学科の中で自然と広がってきました。今年度の1年生からは、それが「バディ制度」として正式にスタート。複数の日本人学生が、留学生や外国にルーツを持つ学生と関わり、学生生活を支え合う仕組みです。
教える側、教わる側に分かれるのではなく、お互いに学び合う。そんな関係が、学生の中から生まれています。

「私の英語が伸びたのは、彼女のおかげ」──隣にいることが、日本人学生の学びになる

ジーロさんは、留学生の友達が向こうから話しかけてくれることが多く、友達ができやすかったそうです。一方で、日本人学生とは最初、距離感に迷ったといいます。

――日本人の学生と仲良くなるときは、どうでしたか?最初に戸惑ったことはありましたか?

ジーロ:どれくらいの距離で話していいのか、どれくらいカジュアルにしていいのか、最初はわからなかったです。

川村:日本人が話しかけられないのは、失敗が怖いからだと思います。間違った英語で話して、通じなかったらどうしよう、恥ずかしい、って。英語でしか話せないと思い込んでしまうところもあって。でも、相手はそれを全然気にしていないとわかれば、話せるんですよね。

――国際文化学科の授業ではどうですか?

川村:英語を使う授業でも、失敗しても大丈夫な空気があります。ちょっと話しただけで、先生がすごく褒めてくれるんです。

――川村さんにとって、リアスミンさんがいてよかったと思うことは?

川村:とにかくオープンマインドなんです。日本にいても、日本人のシャイな雰囲気に染まらずに、そのまま。だから、大学生活があまり楽しくないかもと思っても、イベントに誘ってくれたら行きたくなるし、何かを立ち上げるなら一緒にやりたくなる。
英語も、身近に話せる人がいるので、私の英語力が伸びたのは彼女の影響がかなり大きいと思います。本当に、彼女がいてよかったです。

――西村先生から見て、外国にルーツを持つ学生と日本人学生が一緒に学ぶことで、どんなことが生まれると思いますか?

西村:外国にルーツを持つ学生は、複数の言葉や文化を経験してきて、今も自分が生まれた環境とは異なる文化の中で暮らしています。とても豊かで厚みのある経験を持っているんですね。
それが日本の学生に少しずつ伝わるだけでも、「ちょっとした失敗はいい、やってみればいいんだ」と勇気が出る。学ぶ力が引き出されていくと思います。きっと、私の想像を超えるようなことが起こるはずです。

迷ったなら、飛び込んでみてください──高校生へ、4人からのメッセージ

――これから大学を目指す高校生に、伝えたいことはありますか?

ジーロ:日本語についていけるかどうか、絶対に不安はあると思います。でも、聖学院は少人数で、実際にサポートしてくれる人がいます。自分で選んで勉強することもできます。

リアスミン:大学では、いろいろな人と出会えます。支えてくれる先生もたくさんいます。高校より自由で、ネイルもメイクも服も自由!新しいことにどんどん挑戦できます。頑張ってください。

川村:国際文化学科にいると、先生たちが「サポートしたい」という姿勢をすごく見せてくれます。日本人の学生も、いろいろな国の文化を知りたいと思っている子が多いです。だから、あまり心配せずに入ってきてほしいです。

西村:入ってみたら、心配する必要はなかったとわかる環境が用意されています。迷ったなら飛び込んでみてください。こちらは準備ができています。みなさんの可能性を信じています。

日本語の不安には、どう向き合った?──前編では、授業と先生のサポートを紹介

前編では、2人が聖学院大学を選んだ理由や、日本語での論述を少人数の授業で乗り越えた話、レベルも科目も自分で選べる日本語の授業について紹介しています。

講義方式入試|外国にルーツを持つ生徒対象

講義を聞いてノートを取り、その内容を面接官に発表する入試です。あわせて、調査書と自己カタログをもとにした面接を行います。合格者は入学後、日本語能力に応じた日本語クラスを受講できます。

  • 対象学科:政治経済学科、国際文化学科、日本文化学科、子ども教育学科、心理福祉学科
  • 出願期間:2026年12月1日(火)〜12月14日(月)
  • 試験日:2026年12月19日(土)