学びと教育
大学で学ぶ専門的な知識は、キャンパスの中だけにあるのでしょうか。
聖学院大学は、上尾市との「連携に関する包括協定」のもと、地域活動や教育、福祉、人材育成など、さまざまな分野で連携しています。今回紹介する「イギリス文化講座」も、そのつながりから生まれた地域での学びの一つです。
上尾市大谷公民館では、一昨年度から毎年「イギリス文化講座」が開催されています。今年度のテーマは「『シャーロック・ホームズ』で読み解く 大英帝国の光と闇」。2026年9月28日には、その第1回となる講座が開催されました。

今年度の「イギリス文化講座」は、一昨年度、昨年度に続いて開催されたものです。これまでの講座が好評だったことも、今年度の開催につながりました。
定員30名に対して約70名の応募があり、当日は約50名が参加。講座の冒頭、氏家先生が「イギリス文化に興味があって参加した方」「シャーロック・ホームズが好きな方」と問いかけると、ほとんどの参加者が手を挙げました。
さらに、昨年度の講座をきっかけに、大谷公民館では「英国大好きサロン」も発足。現在は月1回、テーマを決めて活動し、氏家先生が解説しています。
毎年の講座で生まれた「もっと知りたい」という気持ちが、翌年の講座や地域で継続する学びへとつながっています。

国際文化学科長・氏家理恵教授。専門はイギリス文学・英語圏文化。イギリス映画に関する講座のほか、エリザベス2世の国葬や天皇皇后両陛下訪英の歓迎式典のニュース解説も行う。
今年度の「イギリス文化講座」の第1回のテーマは、「ミステリーの誕生~『シャーロック・ホームズ』が生まれた社会背景~」。
講師を務めたのは、聖学院大学 人文学部国際文化学科の氏家理恵教授です。
講座では、『シャーロック・ホームズ』という作品だけを取り上げるのではなく、19世紀のイギリス社会や文化、出版、都市化、犯罪などにも目を向けながら、なぜこの時代にミステリーという文学ジャンルが生まれたのかを読み解きました。
参加者はメモを取りながら熱心に耳を傾け、寄宿学校の成り立ちについてのエピソードでは、「なるほど」といった声も聞かれました。

熱心にメモを取る姿が見られました
講座の中では、参加者からもさまざまな質問が寄せられました。
「当時の印刷技術はどのようなものだったのか」
「教育制度や識字率はどうだったのか」
『シャーロック・ホームズ』をきっかけに、作品が生まれた時代の社会や文化へと興味が広がっています。
一つの作品を入り口に、「なぜ?」「当時はどうだったの?」と疑問が生まれる。そして、その疑問を専門的な知識からひも解いていく。
今回の第1回講座からは、大学の専門的な学びが地域の人々の「知りたい」という思いと出会うことで、新しい問いや学びにつながっていく様子が見えてきました。
地域の「もっと知りたい」と、大学の専門性が出会う
一昨年度から毎年開催されている「イギリス文化講座」。今年度は『シャーロック・ホームズ』を入り口に、大英帝国の光と闇を読み解いていきます。
第1回では、作品が生まれた19世紀のイギリス社会や文化に目を向けることで、参加者から新たな疑問や関心が生まれていました。
聖学院大学では、こうした専門的な学びを地域へ届けるだけでなく、地域の人々の「もっと知りたい」という思いと大学の専門性を結びつけながら、新たな学びを生み出しています。
大学で学ぶことは、教室の中だけで完結するものではありません。
身近な地域にある問いをきっかけに、専門的な知識と出会い、自分なりの「なぜ?」を掘り下げていく。そんな学びの可能性が、ここにもあります。