教室で学んだ歴史や文化を、実際の場所で体感してみる。そんな学びを実現しているのが、日本文化学科の学生が企画する「一日文化探訪ツアー」です。
2026年3月12日、学生17名と教員5名が長野県上田市を訪れ、上田城・北向観音・無言館を巡りました。学生自身がテーマや行き先を決め、先生の専門的な解説を聞きながら現地を歩くこの企画。教室の外だからこそ見えてくる、日本文化の奥深さを体験する一日となりました。

現世ご利益の信仰のある北向観音
今回のツアーは、日本文化学会学生会が中心となって企画しました。毎年春休みに行われる恒例イベントで、学生が行きたい場所をプレゼンし、話し合いの中から行き先を決定します。今年は8つの候補の中から長野県上田市が選ばれました。
2025年が戦後80年という節目の年であることから、今年のテーマは「歴史・追憶」。戦国時代の歴史を伝える上田城、善光寺と深い関係を持つ北向観音、そして戦没した美術学生の作品を展示する無言館を巡るコースが組まれました。学生たち自身が学びのテーマを考え、企画を形にしていく点が、このツアーの大きな特徴です。

真田幸村で有名な上田城
最初に訪れたのは、戦国大名・真田氏ゆかりの上田城。城跡を前に、日本文化学科で日本中世史を専門とする阿部能久先生が城の役割や当時の政治状況について解説しました。
関ヶ原の戦いの前後、真田氏がどのような勢力関係の中で生き抜いていたのか。史料や城の構造を手がかりにしながら説明を聞くことで、教科書で学ぶ歴史がよりリアルに感じられます。
学生たちは上田市立博物館の展示も見学し、史料と現地の景観を重ね合わせながら理解を深めていました。
その後に訪れた北向観音では、日本に今も続く信仰文化に触れました。善光寺と向かい合うこの寺は、現世の願いを託す場所として多くの人が訪れます。
歴史だけでなく、人々の祈りや価値観にも目を向け、日本文化を広い視点で捉える機会となりました。

太平洋戦争で亡くなった美大生の絵を展示する無言館
ツアーの最後に訪れたのは、太平洋戦争で亡くなった美術学生の作品を展示する無言館です。
ここでは、日本近現代史を専門とする今井勇先生が学徒出陣について解説しました。
当時、絵を描くことや学問を続けることを夢見ていた学生たちが、戦争によって命を落とした歴史。その作品を前に、「今の自分たちと同じ大学生だった」という視点で鑑賞してほしいという先生の言葉がありました。
学生たちは作品と向き合いながら、歴史の重みと向き合う時間を過ごしました。

日本文化学科 3年 阿部小雪さん
このツアーを企画した日本文化学科の阿部小雪さんは、「先生が学生の行きたい場所に合わせて解説してくれるのが魅力です」と話します。普段の授業だけではわからない先生の人柄や、学生同士の関心を知ることができるのも、この企画の面白さだといいます。
「旅行として楽しみながら、勉強にもなるのがこのツアーの良いところ。日本文化学科は、古典からサブカルチャーまで幅広く学べて、先生との距離も近い学科です。入学したら、ぜひ一緒に学科を盛り上げていきましょう。」
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日本の歴史・日本の文化を「現場」で学ぶ体験を
教室での学びを、実際の場所で確かめるフィールドスタディ。学生が企画し、先生の専門解説を聞きながら巡る「一日文化探訪ツアー」は、日本文化学科ならではの学びの形です。
歴史の舞台を歩き、文化の背景を自分の目で確かめる体験は、きっと大学での学びをより深いものにしてくれます。次は、あなたもこのツアーに参加してみませんか。