平和に「たった一つの正解」はあるのでしょうか?多文化共生は、理想論だけで語れるのでしょうか?スマホの検索結果には載っていない、現場のリアリティを求めて。聖学院大学の政治経済学科と国際文化学科が合同で実施した「沖縄フィールドワーク」に密着しました。3泊4日のフィールドワークで学生たちが触れたのは、基地の轟音、街の匂い、そして現地の人々の生の声。自ら問いを立て、歩き続けた探究の記録を届けます。

今の時代、知識だけならどこでも手に入ります。しかし、大学での学びの本質は、あらかじめ用意された正解をなぞることではありません 。事前学習で「米軍基地の経済効果」や「移民の歴史」といった背景を整理した学生たちは、その知識が現場でどう機能しているかを確かめるために沖縄へ飛びました 。画面越しでは決して分からない、フェンス一枚を隔てて隣り合う「非日常な日常」を目の当たりにすることで、学びは単なる「情報」から、一生モノの「洞察」へと進化していくのです。
STEP1
動画や講義で、基地問題や移民の歴史の基礎知識をインプットする。
STEP2
騒音、匂い、街の熱量を五感で捉え、検索結果にはないリアリティに触れる。
STEP3
現場での発見を元に自分自身の言葉で学びを表現する。
学生たちは、普天間基地を一望する嘉数高台で市街地との近さに言葉を失い 、一方で多文化が混ざり合うコザの商店街では、異なる背景を持つ人々が共生するための細かな工夫を発見しました。
事後報告会では、ナンバープレートの表記や街のインフラに見られる「共生の知恵」に着目する声も。学生たちは基地を単なる「問題」として切り離すのではなく、人々の暮らしの中にどう組み込まれているかを観察し、自分自身の視点で、社会の複雑な輪郭を捉え直すプロセスを経験しました。
普天間基地を一望する嘉数高台から
多文化が混ざり合うコザの街並み
「平和学」「多文化共生」2つの視点が混ざり合う4日間の探究がスタート
嘉数高台公園は沖縄戦時の激戦地、日本軍が築いたトーチカや陣地壕などが残っています
展望台から普天間基地を望む。住宅街と基地が隣り合わせにある沖縄の“日常”に、言葉を失った瞬間です
嘉数高台公園で見たこと聞いたこと、感じたこと、考えたことをグループワーク
「住民の声カードワーク」として、基地があることによる課題とメリットを書き出していきました
當山久三紀念館では、かつて外の世界へ飛び出した移民の父の足跡を辿り、沖縄の人々が持つ強い共同体意識の源流に触れました
記念館の前には當山久三の銅像や、国の方向を示す案内板なども
金武町は「外へ出る地域」と「外が入ってきた地域」
キャンプ・ハンセン前フェンスなどのエリア(新開地)を巡ります
嘉手納基地を一望できる、道の駅かでな。戦闘機離着陸の騒音を数値で表示する電光掲示板
事前学習で学んだ「基地負担」という言葉の重みを肌で感じます
コザの街歩き。日本語と英語が入り混じる看板。戦後、基地と共に独自の発展を遂げた「ちゃんぷるー文化」を体感
正解のない世界で、対話を止めない。「自分ごと」から始まる未来への一歩
現地で学生たちが受け取ったのは、安易に「反対・賛成」では割り切れない、グラデーションのような沖縄のリアルな声でした。
「すぐには答えは出ない。だからこそ対話を止めず、考え続けることが大切」── 聖学院大学の学びも同じです。あらかじめ用意された正解を覚えるのではなく、現場で感じた違和感を大切に、自分だけの「納得解」を仲間と共に探していく。
沖縄の風に吹かれ、自らの目で「日常」を捉え直した4日間。この経験は、単なる知識を超えて、これからの社会を生き抜くための確かな知性となります。あなたも、誰かの言葉ではなく、自分自身の五感で世界を解き明かしてみませんか?聖学院大学は、その一歩を踏み出すあなたを待っています。