「なぜ、その国ではその言語を学ぶのか?」文化の視点で考える外国語教育

英語を学ぶ理由は、国や社会によって大きく異なります。2026年1月、聖学院大学国際文化学科の外国語教育ゼミでは、日本人学生と留学生、そして英国・イラン出身のゲストを迎え、4カ国の外国語教育を比較する授業を実施しました。全て英語で行われた発表と議論を通して見えてきたのは、語学の学びが文化や社会と深く結びついているという事実。多文化時代に求められる「対話する力」を体感する、大学ならではの学びを紹介します。

なぜ今、外国語教育を「比較」するのか

ベトナムの留学生は実際に母国で使われている教科書を用いて紹介しました

ベトナムの留学生は実際に母国で使われている教科書を用いて紹介しました

グローバル化が進む現代社会では、異なる文化や価値観を持つ人々と協働する力が不可欠です。
国際文化学科が重視するのは、単に外国語を話せるようになることではなく、その背景にある社会制度や文化を理解し、対話につなげること。

本ゼミでは、外国語教育を「教科」ではなく「社会の一部」として捉える視点を養うため、複数国の事例を比較しました。
なぜその国ではその言語が重視されるのか。そこには歴史、宗教、政治、経済といった要素が密接に関わっています。

4カ国の事例から見えた、言語と社会の関係

イランでは文化や政治が強く語学学習に影響を与えることが紹介されました

イランでは文化や政治が強く語学学習に影響を与えることが紹介されました

当日は、日本・ベトナム出身の学生に加え、英国・イラン出身のゲストが登壇。
ベトナムでは英語教育が小学校から始まり、近年はIT活用やスピーキング重視へと変化していることが紹介されました。
イランでは、宗教と結びついたアラビア語教育と、世界の情報へアクセスするための英語の重要性が語られ、日本では読解中心の教育と「間違いを恐れる文化」が議論に。
1960〜70年代の英国では、外国語が文化的ステータスであったが、最近の社会では英語が優先され、外国語はあまり重視されないという話も印象的でした。

比較することで、言語学習の目的が社会ごとに異なることが鮮明になります。

英語で考え、英語で対話する実践的な学び

イギリスの学校は寮生活が多く、学校の外に出ることのできた外国語の授業が魅力的だったという話も

イギリスの学校は寮生活が多く、学校の外に出ることのできた外国語の授業が魅力的だったという話も

発表と質疑応答はすべて英語
参加した10名の学生は、日本人と留学生が半々という国際的な環境の中で、互いの意見を尊重しながら議論を深めました。

正解を探すのではなく、「なぜそうなのか」を問い合う姿勢こそが、このゼミの特徴です。
異なる背景を持つ人と向き合い、自分の考えを言葉にする経験は、教室の外でも生きる力になります。

国際文化学科が掲げる異文化理解力・対話力・多文化共生力が、実践の中で育まれていることを実感できる時間となりました。

外国語教育を通して、社会と文化を読み解く——これも国際文化学科の学びです。言葉の違いを越えて人と向き合い、対話する力は、これからの時代を生きる大きな武器になります。あなたも、世界とつながる学びに挑戦してみませんか?

写真で見るゼミの様子

画像をタップして拡大表示

すべてを表示