戦後80年、平和の尊さを再認識する講演会を開催。日本被団協・和田征子氏を招き、地域社会全体で平和への意識を高める機会に

2025年5月14日(水)聖学院大学チャペルにてキリスト教文化講演会を開催しました。講演会の狙いは、過去の歴史や平和の尊さを再認識し、平和を維持するための行動を促すこと。キリスト教主義に立つ大学として地域社会全体で平和への意識を高め、未来の平和構築に貢献する機会を提供しました。

核兵器のない世界へ向かって

和田氏は、生後22か月で被爆され当時の記憶は全くなく、お母様が繰り返し語られたことを丁寧にお話しくださいました。

当時の惨禍、被爆者運動に携わってきた歩みを語られると共に、原爆がもたらした深い悲しみと苦しみ、そして核廃絶を訴え続けた人々の努力が、ノーベル平和賞という形で世界に認められたことが紹介されました。

証言者の高齢化と継承の壁—若い世代に求められる役割

和田氏は講演会の中で、被爆体験を語る証言者の高齢化が進む現状に強い危機感を示され、継承者がいなくなることや記憶の風化に警鐘を鳴らしました。

また、若者に向けて「まずはYouTubeやSNSなどを通じて知ってほしい。そして、学んだことを身近な人に伝えていってほしい」と呼びかけました。さらに、世界各地で軍事的緊張が高まる今こそ、平和を希求する姿勢が、これからの社会に不可欠であるとの強いメッセージが伝えられました。

一人ひとりが社会に働きかけていくことの意義を深く考えさせられる会となリました。

受講した学生のコメント(一部抜粋)

  • 核兵器の被害は国境を越えて広がり、誰も喜ばない非人道的な存在だと改めて実感した。世界全体が罰則をもってしても核兵器の廃絶に向き合う必要があると考えさせられた。(政治経済学科4年)
  • 核兵器の存在そのものが平和への脅威であり、廃絶が不可欠だと感じた。過去の歴史を語り継ぎ、若い世代が核廃絶の重要性を伝える使命を持つことが大切だと思った。(政治経済学科2年生)
  • 核による抑止は「安心」とは正反対であり、恐怖の上に成り立つ平和は本物ではない。唯一の被爆国として日本が核廃絶を発信し続けるべきだと考えさせられた。(政治経済学科2年)

    政治経済学科の特色ある学び:講演会を通じて考える力を育む

    政治経済学科では、「講演会を軸とした学び」を教育の特色の一つとしています。講演会をただ聴くだけでなく、事前学習を通じて知識や課題を整理した上で臨み、講演後には事後学習によって振り返りを行います。こうしたプロセスを通じて、社会の問題をより自分ごととして捉え、主体的に向き合う力を養います。

    写真で見る講演会の様子

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