2026年6月13日、日本文化学科の木下綾子准教授のゼミが、東京・神田の天理ギャラリーと神田神保町古書店街を舞台にしたフィールドワークを実施しました。目的は、古典文学の「原資料」に直接触れること。写本に記された本文やその注釈、そして、本の形態や文字の形、レイアウトから歴史や文化を読み解く、大学ならではの「深い学びの魅力」と、学生たちの知的な成長の様子をレポートします。

現代の活字では見えないもの。古典文学の「原資料」を読み解く学問的意義

神田にある天理ギャラリーを訪問し「古今和歌集と伊勢物語」展を見学

神田にある天理ギャラリーを訪問し「古今和歌集と伊勢物語」展を見学

私たちが高校の授業などで目にする古典文学は、現代の文字に直された「活字」が主流です。しかし大学の文学研究では、当時の人々が実際に書き写した「写本」や、それを刷った「版本」が重要な研究対象となります。

写本・版本は本文だけでなく、行間や余白に書かれた細かな注釈、奥書(現代では奥付)に示された書写者や年次、本文の漢字・かな・カナなどの文字の種類や字体、レイアウト、紙の種類やサイズ、装飾などに、当時の社会背景や人々の美意識といった膨大な情報が隠されています。ただ作品を「読む」だけでなく、物質としての本から文化の変遷へ学問的にアプローチする。古典を学ぶ本質的な意義のひとつです。

巻物から冊子へ。街全体を「研究室」にして、本の歴史とデザインを考察する

「日本書房」では、貴重な巻物の複製を特別に見せていただきました

「日本書房」では、貴重な巻物の複製を特別に見せていただきました

ゼミ生たちはまず天理ギャラリー展「古今和歌集と伊勢物語」へ。天理図書館が所蔵する『古今和歌集』と『伊勢物語』の主要な写本や版本、自筆注釈書等の展示を見学しました。

ゼミで使っている本の実物などを見ることができ、木下先生の丁寧な解説を聞きながら、学生たちは「筆跡やレイアウトの違い、持ち運びやすさの工夫までわかって面白い!」と多くの気づきを得ました。

その後は世界に誇る本の街・神田神保町古書店街へ。「日本書房」では、特別に、美しい紙が貼り継がれた巻物の複製を見せていただき、当時の圧倒的なセンスに刺激を受けました。街全体をキャンパスに、学生たちは本物の文化に触れました。

当日の様子 Photo Gallery

「好き」を未来につなげる

「本物を見るほど、自分の中にデータが蓄積され、違いがわかる面白さに気づく」と木下先生は語ります。古典文学は決して過去のものではなく、今を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。日本文化学科では、こうした学びを通じて、文化を未来へとつなぐ力を育んでいます。

「好き」をとことん学ぶ4年間を過ごせるのが、日本文化学科。学びたいことが決まっていなくても、「好き」なことがあれば大丈夫。あなたの「好き」を手がかりに、学問の面白さを充分に体験してください。日本文化学科での4年間を通して、未来の自分を見つけましょう。