聖学院大学の地域連携事業

聖学院大学では、地域と連携して行う教育研究および社会貢献に資する活動を支援するため、「地域連携活動助成金」制度を設けています。 本制度は、学生および教員が地域団体等と協働し、地域課題の解決や相互理解の促進を図るとともに、学生の成長につながる取り組みを後押しすることを目的としています。 

2025年度は2団体が採択され、その一つが特定非営利活動法人ピュア・スマイル(以下、ピュア・スマイルと言う。)です。本記事では、同法人からのオファーを受けて交流を行った、心理福祉学科・望月ゼミ(障害者福祉論)の学生たちに注目!地域の現場での交流を通して、学生たちは何を学び、どのような気づきを得たのかをレポートします。

―「素直な気持ちを伝え合い、笑い合える関係」を育む交流活動―

経緯と目的

ピュア・スマイルは主に重症心身障害のみなさんが、地域で心豊かに過ごせるよう支援することを目的に活動している福祉サービス事業所です。

今回の地域連携活動助成事業を通じて、同法人より

重症心身障害者が主体的に取り組める作業や創作活動の幅を広げること
●コミュニケーション支援の技術を磨き、人とつながる楽しさをより実感できる機会をつくること

を目的とした、聖学院大学の学生との交流活動のオファーがありました。

このオファーを受け、障害者福祉を専門とする望月ゼミの2年生6名が参加し、2025年度秋学期(10月~1月)にかけて、月2回程度ピュア・スマイルを訪問し、利用者との交流活動を行いました。

キックオフと活動の流れ

活動は、2025年10月7日のキックオフからスタートしました。
当日は、ピュア・スマイル代表理事の山口達子氏を招き、団体の活動内容や利用者の特性について学ぶとともに、今後の活動内容や日程について意見交換を行いました。
その後、10月14日、11月11日・25日、12月9日、1月13日・27日の計6回、午前中の時間を使って交流を重ねました。

ゼミの活動のスローガン

活動にあたり、望月ゼミでは
「素直な気持ちをみんなに伝え、笑い合える友達になろう」
というスローガンを作り大切にしました。
この言葉は、学生と利用者だけでなく、職員や教員も含め、誰もが無理をせず素直な気持ちで関わることを目指し、活動の中から自然に生まれたものです。

ピュア・スマイルの玄関先には「誰もが笑顔になれる場所」という言葉が掲げられています。
同じ思いを共有する両者が出会い、心豊かな交流が実現しました。

地域との交流で育まれた学びと成長

活動を継続することで深まる関係性

取材が行われた1月27日では、学生と利用者が特別な指示がなくとも自然に一緒にワークに取り組む姿が見られました。
この日の活動は、「ひっかき絵」と呼ばれるアート制作です。
水性顔料マーカーで色付けした画用紙の上から黒いクレヨンを塗り、割りばし等でひっかくことで、鮮やかな色が浮かび上がる技法です。
学生たちは利用者とともに工夫を重ねながらユニークな作品を仕上げました。
意思疎通が難しい利用者と一緒に筆を握り、筆の動きに身を任せながら、個性あふれる作品を完成させていました。

非言語コミュニケーションの成長

帰りの車中で学生に感想を尋ねると、「非言語的なコミュニケーションが上達したと思います」という声が聞かれました。
言語による意思疎通が難しい利用者も多い中、複数回の交流を通して、視線や表情、仕草から相手の思いをくみ取る力が育まれたことは、大きな成果といえます。

関係性を築くための工夫

「前半の音楽療法では、利用者と学生が一緒に活動することを通じて、お互いに知り合うことを重視しました。それから学生一人ひとりが写真付きのプロフィールを作成し、自己紹介ツールとして活用しました。後半のひっかき絵では、個々の関係性を深めていくことができました。」(望月隆之准教授)
最終回に学生が自然とそれぞれの利用者のもとへ向かい、落ち着いて活動できた背景には、こうした丁寧な積み重ねがありました。

-おわりに―
最後は、利用者と学生が笑顔で挨拶を交わし、施設を後にしました。「素直な気持ちをみんなに伝え、笑い合える友達になろう」というスローガンが体現された、非常に意義深い地域連携活動となりました。
 

心理と福祉の両面から人を支える

心理福祉学科では、授業で学んだ知識を地域の現場で実践し、また学びに戻す「往還する学び」を大切にしています。
地域と連携し、リアルな課題に向き合う経験が、専門性と人としての成長につながっています。
人と地域に寄り添う学びを、聖学院大学・心理福祉学科で始めてみませんか。