そんな思いを持つみなさんに知ってほしい仕事があります。それが、学校で子どもや家庭を支える「スクールソーシャルワーカー(SSW)」です。心理福祉学科の「スクールソーシャルワーク論」では、支援の知識や制度だけでなく、「子どもに寄り添うとはどういうことか」を実際の事例をもとに考えます。今回は授業を担当し、ソーシャルワークを専門分野とされる谷口先生に、授業への想いやスクールソーシャルワーカーの役割についてお聞きしました!
スクールソーシャルワーカーは、いじめや不登校、虐待、貧困など、子どもたちを取り巻くさまざまな課題がある中で、子どもたちが安心して学び、遊び、成長できるように支える専門職です。子ども本人だけでなく、保護者や学校、地域、行政とも連携しながら、環境を整え、一人ひとりに合った支援を一緒に考えます。
今回取材した授業のテーマは、「児童虐待―スクールソーシャルワーカーとして考える―」です。
学生たちは、実際にあった児童虐待の事例を時系列で追いながら、「なぜ防げなかったのか」「周囲の大人には何ができたのか」「スクールソーシャルワーカーとしてどのような支援が考えられるのか」をグループで話し合いました。
答えが一つではない事例だからこそ、学生同士で意見を交わし、多様な視点から考える力を養っていました。
スクールソーシャルワーカーは、学校をベースに子どもが安心して学び、成長することができるように他者と協力しながら環境を整えていく専門職です。
虐待、いじめ、貧困等、今日本の社会は子どもたちを取り巻く課題が複雑・多様化していて、子どもの安全に学ぶ権利や成長することが阻害されている状況が多くあります。
子どもの声を聴き、子どもを中心にこの状況を変えていくために、スクールソーシャルワーカーは重要な役割を担っています。
スクールソーシャルワークを知ってもらったうえで、スクールソーシャルワーカーの価値(何を大切にしている専門職なのか)を理解してもらうことを目指しています。
例えば子どもの良いところ(ストレングス)をみつけてそこを活かしたかかわりをすること、子どもの可能性を信じ、環境を整えることの大切さなどを理解してもらいたいです。
それは卒業後、社会に出たときに子どもや周囲に優しい環境をつくる一翼を担えるようになって欲しいと願うからです。
スクールソーシャルワーカーは子どもの思いを大切にする専門職です。皆さんのかけがえのない体験を踏まえ、子どもに寄り添いたい、学校を変えていきたい、より良い社会をつくりたいと思っている方、ぜひ、ともに、スクールソーシャルワーカーについて学び、その意義を社会に伝えていく役割を担ってもらえたら嬉しく思います。
子どもの権利を擁護する専門職であるスクールソーシャルワークにより多くの方が関心を持ってくれることを願っています。
もともと不登校だったこともあり、福祉士(ソーシャルワーカー)になりたいという憧れや興味があったので受講しました。
自分とは違う視点に気づけたことが一番印象に残っています。生活保護や児童相談所など、制度や仕組みを踏まえて考える人もいて、とても勉強になりました。
将来は社会福祉士、スクールソーシャルワーカーや心理学に関する資格取得を目標にしています。授業で学んだことを教育ボランティアでも実践するなどして、少しでも多くのケースに寄り添える社会福祉士になりたいです。在学中は、友人と意見を交換や先生に質問したりしながら、基礎知識と経験を積んで有意義に過ごしたいと思っています。
スクールソーシャルワーカーという職業は知りませんでした。もともと子どもへの支援に興味があり、子どもに関する授業だと聞いて受講しました。資格が取れる授業だったことも理由の一つです。
児童虐待の事例で、子どもの周りにはたくさんの大人がいたにもかかわらず、誰一人正しい行動ができていなかったことが印象に残っています。グループワークでは、自分にはなかった考え方や支援の方法に気づくことができ、より良い支援について考えるきっかけになりました。
子どもが安心して生きていくために必要な支援や、スクールソーシャルワーカーとしてあるべき姿を学んでいると感じています。専門的な知識だけでなく、自分の経験や考えも大切にしながら、子どもにとって頼れる大人、安心できる大人になりたいです。
スクールソーシャルワーク論では、子どもを支えるための知識だけでなく、一人ひとりに寄り添い、多様な視点で考える力を育みます。谷口先生の想いに触れながら学んだ学生たちは、子どもたちの未来を支える専門職への一歩を着実に踏み出しています。