「スポーツ心理学」と聞くと、根性論やメンタルの精神論をイメージするかもしれません。でも実際は、「スポーツ心理学」はスポーツに関する心理学的な諸問題について研究する学問領域であり、プレッシャーのかかる状況でも実力を発揮することが求められる選手の心をどう支えるかを学びます。心理福祉学科で2026年度に新設されたこの科目、7月10日の講義では、クライエントとして来談した選手と初めて向き合うときに"何を知り、どう向き合うか"について、スポーツ・カウンセリングを実際に体験しました。
プレッシャーのかかる状況でも実力発揮が求められる選手の心を支えるためには、まずその選手が今どんな心の状態にあるのかを把握し、寄り添うカウンセリングが欠かせません。
この日学んだのは、初めて会うクライエントのことを"知る"ための取り組み(アセスメント)。
何時に寝て何時に起きるか、朝ごはんを食べているかといった生活習慣から、生育歴や競技成績、さらにはクライエントの置かれている状況(チーム内での役割・プレースタイル・対人関係など)まで、一見するとクライエントが話したい悩みとは関係なさそうなことも含めて情報を収集しながら、クライエントの人物像や悩みをより鮮明にしていきます。
自分から相談に来たのか、周りに勧められて来たのかでも、選手の受け止め方は変わってくるもの。
1対1で向き合うからこそ、話しやすい関係づくりも欠かせません。
選手の心を開くために欠かせないのが、相手の話に耳を傾けて聴くこと、すなわち、傾聴です。
相手の話にうなずきや相槌で安心感を与えたり、言葉をそのまま繰り返したり、感情の変化に気づいて伝えたり——サッカー日本代表の森保監督の実際の選手との関わり方などの実例も授業で紹介されました。
その後、学生たちはこのスキルを3人一組になって実際に体験。「趣味」をテーマに、話す人・聴く人・観察する人に分かれ、3〜4分間のカウンセリングに挑みました。
やってみると、「思ったより聴くのは難しい」という声が次々に上がりました。
沈黙が気まずくて焦ったり、質問が途中で続かなくなったり。「わかります」と安易に共感するより、「そうなんだね」と相手の言葉をそのまま受け止めるほうが、相手は話しやすくなる——そんな気づきも生まれました。
声のトーンや表情まで意識しながら人と向き合う難しさとおもしろさを、学生たちは身をもって知ることになりました。
スポーツ心理学って、心理学の中でもあまり聞かない分野だなと感じたこと、そして自分自身スポーツが大好きだったこともあり、スポーツと心理学がどう関わり合っているのか気になって受講しました。
そうして受けてみた今回のカウンセリング体験では、「相談を受ける側」をやってみたのが初めてで、すごく緊張しました。どうしても質問ばかりになってしまって、相手の意見を引き出すのはこんなに難しいものなんだと実感しました。
スポーツに限らず、これから社会に出たときに、メンタルヘルスケアの知恵の一つとして、そして友人や家族との人間関係をより大切にしていくために、この学びを生かしていきたいと感じています。
最初にスポーツ・カウンセリングについて説明を聞きます。
カウンセリング体験は3人1グループで行いました。
カウンセリングは聴き手、話し手、観察者に役割分担をして行いました。
カウンセリングに取り組んだ後には、学生間で先生と意見交換も行います。
ハイパフォーマンスを追求する方々を支える心理学も、聖学院で学べる
ハイプレッシャーの中でも実力発揮が求められる人の心を、どう理解して支えるか——それは選手に限らず、試験で高得点を出したい小・中・高生、出世したいと考える会社員など、誰もが直面するテーマです。心理福祉学科の「スポーツ心理学」では、“スポーツ”を一つの合言葉にしながら、ハイプレッシャーの中でも実力発揮が求められる人の心を理解し、支えるための知恵を、実際に体験しながら学べます。