東北ボランティアスタディツアーとは

聖学院大学は、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後から復興支援活動に取り組んできました。発災から10年以上が経過し復興は進んでいるものの、心の復興や地域コミュニティの再生には今なお時間が必要とされています。本学では、震災について学ぶとともに、Team大川-未来を拓くネットワーク-(以下、Team大川)が取り組む震災遺構大川小学校やその周辺のコミュニティ再生への協力、Team大川をはじめとする地元の方々との交流を行う、2泊3日のボランティアスタディツアー(2026年2月14日~16日)を実施しました。実施にあたっては公益財団法人日本財団ボランティアセンターに共催いただきました。今回のツアーには学生13名、教職員3名の計16名※が参加し、学びと交流に満ちた3日間を過ごしました。※学生団体そよかぜメンバー3名(聖学院大学・東洋大学・自由の森学園高等学校)が一部日程で現地合流

学びと対話から未来をひらく

今回はツアーの企画・運営に取り組むプロジェクトリーダーの多くが交代。1・2年生が加わる新体制での実施となりました。「より深く交流したい」「一方的に学ぶのではなく相互に知り合う場にしたい」という思いのもと、対話を重視した企画づくりが進められました。

石巻の郷土料理を教わりながら埼玉の郷土料理を紹介する企画や、お茶会形式で少人数ごとに語り合う交流など、新たな試みも実施。プログラム外の時間も含め、Team大川の皆さんとこれまで以上に親睦を深める機会となりました。

初日に訪問したみやぎ東日本大震災津波伝承館では、埼玉出身で現在石巻市内の大学に通う学生がガイドを担当。同世代の語りを通して、震災をより身近な出来事として受け止める時間となりました。

2日目は、食を通じて地域の文化や暮らしに触れるとともに、大川小学校周辺を歩きながら、かつてそこにあった日常の風景に触れました。さらに、大川マップづくりでは「大川にあったらいいな」と思うものを描き合い、地域の未来や自分たちの関わり方について考える機会となりました。

3日目の女川町では、震災当時小学生だったガイドの体験や「いのちの石碑プロジェクト」の取り組みについて伺い、災害時の行動や命を守る意識について学びました。

本ツアーは、震災の記憶や地域の歩みを学ぶだけでなく、人と人との交流を通して「関わり続けること」の意味を改めて考える機会となりました。今後もこのつながりを大切にしながら、学びと実践を積み重ねていきます。

ツアーの詳細は聖学院広報noteでも紹介しています。

https://note.seig.ac.jp/n/n02ebd0f7fd65

【プログラム】

1日目:みやぎ東日本大震災津波伝承館、石巻市震災遺構門脇小学校、日和山公園を見学。

2日目:Team大川との郷土料理づくりと交流会、大川小学校周辺での語り部、大川マップづくりを実施。

3日目:女川町で語り部に参加し、女川駅周辺を散策。

PROFILETeam大川ー未来を拓くネットワークー

宮城県石巻市にある大川小学校では、東日本大震災による津波で、当時小学校に通っていた児童74名、教職員10名の尊い命が失われました。「二度と繰り返さない」「子どもたちの命を真ん中にする」ことを伝えるため震災遺構となり一般公開されている大川小学校のある地域は、現在では災害危険区域に指定され住むことができません。大川小学校の卒業生らが立ち上げた『Team大川ー未来を拓くネットワークー』は、災害危険区域となった自分たちが育ったふるさとに再び人が集い安心して語り合えるような交流拠点づくりや、イベント実施、全国での講話活動などを行っています。

参加学生の感想

・今回のツアーを通して学んだことは、津波の恐ろしさと伝承活動の意義である。自然災害 は、私たちの想像をはるかに超えるものであるということを、現地の多くの方が語っていた。 震災前後の街の写真や資料を目にし、私も同じ思いを抱いた。同時に、語り部をはじめとす る伝承活動の意義を強く感じた。過去の出来事を語ることは、単なる情報共有だけでなく、 未来の命を守るための行為であると考えるようになった。人がいなくなっても街は残って いく。同じ悲劇を繰り返さないために、次世代(子ども)の命を真ん中に考えることの大切さを理解した。

・Team大川の皆さんと交流させていただき、「あそぶ、たべる、まなぶ」という時間を一緒に過ごしました。その言葉を、ただ聞くだけではなく、自分自身が体験を通して実感できたことがとても大きか ったです。地域の方々との関わりのなかで、人と人がつながることのあたたかさや、日常を一緒に過ごすことの大切さを改めて感じました。

当日の様子